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特定非営利活動法人 山壮辿子盛(やまもりてんこもり)は、平成20年5月に設立しました。その二大事業の「自然の中の人間塾」「山森人」を通して、参加者や私たち自身の成長の記録、泣いたり笑ったりしたこと、じっくりと考えてみたことを、酋長の視点で書き記します。
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先月のアドキャンでは槍ヶ岳に登りました。
あいにく天候が悪く、雷雲と強風に度々悩まされる登山でした。
そのときのことです。

私たちは初日の昼過ぎ、槍岳山荘から頂上へ向かう鎖場で、渋滞の行列の中にいました。
あと二つ鉄梯子を登れば頂上という所で、「ブーン」という低い音を、私は耳にしました。よく高圧鉄塔の下で耳にする音です。
それを聞いて私は、鳥肌が立つような感覚にとらわれ、急いでサブリーダーの杉ちゃんに指示を出し、パーティーを山小屋へ引き返させました。

程なくして、雷が鳴り始めました。
下りが怖くてキャーキャー言っている若い女性1名とそれをサポートする2名の男性が、呑気にゆっくり下っていました。
いつもならのんびり待つ所ですが、こちらは子供連れ。雷が迫っているので早く下りたい旨話し、何人かはその場で道を譲ってもらい、先に下ろさせてもらいました。
それでも途中、素早く降りることが出来ない子がいて、後半はその3人に行く手を阻まれ、なかなか下りていくことができませんでした。
子供達に何かあっては遅いと、気が気ではありません。3人をあおりまくって、先に行ける子から、脇を通して下ろしました。そうして自分は再び登り返して、次の子をまた下ろし、山小屋まで走らせる。そういう手順で全員山小屋まで下山させました。
頂上まで雷がやってくる前に、全員を山小屋まで下ろせて幸いでした。

そこで見たものは。
雷光と雷鳴の間隔が短くなり、誰が考えても雷雲が近づきつつある中で、それでも槍ヶ岳の穂先(頂上)に登ろうとしている登山者でした。
雷雲の直径は数キロ単位のものが多く、遠くで鳴っているようでも、同じ雷雲の下ならば、いつ自分の近くに落ちてもおかしくないのです。
たぶん、その登山者の考えたことは、今登っておかないと次にはいつ登れるかわからない。そういう百名山狙いの中高年登山者なのでしょう。(登っていたのは中高年でした。)

迫り来る危険に対して、取るべき正しい対策を知らず、闇雲に行動している人がこの状況にいる!
山で遭難する人が最近多いはずだ。トラブルに会わなかったのは、単に運が良かっただけかもしれない。
率直にそう思いました。


私たちは主催キャンプで、子供達に危険に対する正しい知識と、それに対する嗅覚を育てたいと願っています。
小さなことでも予め、最悪の事態を想定しておくこと。それをアドキャンの時に、子供達に良く話しています。

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山壮辿子盛の責任者ですが、酋長です。
ロマンスグレーには程遠い、中年です。
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娘が1人(♪色は黒いが南洋じゃぁ美人?)
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